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「日本の夕べ」レセプション(第199回ユネスコ執行委員会)(2016年4月8日)
第199回ユネスコ執行委員会の開催時期を捉え、4月8日ユネスコ本部にて、当代表部主催の「日本の夕べ」レセプションが開催されました。本レセプションでは、各国大使やユネスコ事務局幹部など多くのユネスコ関係者が出席し、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食や日本酒を堪能して交流を深める良い機会となりました。 |
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佐藤大使とエンギダ事務局長補 |
佐藤大使と各国大使ら |
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和食・日本酒を堪能する出席者 |
4月4~15日、第199回ユネスコ執行委員会(※)が開催されました。7日に行われた執行委員会の全体会合では、ボコバ・ユネスコ事務局長の開会演説に続いて各執行委員国のスピーチが行われ、佐藤大使は、教育、科学、文化の各分野における重要事項と日本の取組、アフリカ開発やジェンダー分野への取組などについてスピーチを行いました。執行委員会では、教育、科学、文化の各事業や、行財政事項について活発な議論が行われました。
※執行委員会:ユネスコの事業や予算を検討するために年2回、195か国から選出された執行委員国(58か国)の代表が集まり議論を行う会議。我が国は1951年のユネスコ加盟から継続して委員国を務めています。
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佐藤大使スピーチ |
ボコバ事務局長スピーチ © UNESCO / A. Dunasovs |
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執行委員会議長(ドイツ大使)© UNESCO / A. Dunasovs |
議場の様子(全体会合)© UNESCO / A. Dunasovs |
2016年3月30日: 略奪された文化財の不正取引防止について(ユネスコ本部で円卓会議を開催)
近年、テログループの中東における文化財の破壊が深刻である。世界を震撼した2015年8月のシリアのパルミアの神殿破壊は、まだ記憶に新しい。国連安全保障理事会も、博物館などから文化遺産を略奪し、密輸していることがテロリストの資金源になっていることを懸念しており、ユネスコ及び関連機関に防止するための適切な措置を講じることを求めている(2015年2月の決議2199号)。
ユネスコでは「文化財の不法輸出入等禁止条約(1970年条約)」を基に関係機関(※)と協力して、イラク、シリア、リビア、イエメンなどの紛争地の文化財の流出防止に取り組んでいる。しかし、近隣国のトルコ代表団によれば、約7千点のシリアの文化財を国境で抑えており、紛争地の文化財流出問題はさらに深刻化している。
こうした状況を背景に、3月30日、文化財の不正取引防止を考える円卓会議がユネスコ本部で開催された。会議には、政府代表団のほか、博物館館長、美術品取引の関係者、考古学者や国際法学者らが一同に会し、「不正取引における通過国、美術商の役割」や、「アート市場における統一した規制やオンライン売買への取り組み」といったテーマで熱心な議論が展開された。
特に、イラクのバシュラ博物館館長が「人々の生活があまりに貧しく、近所の考古学サイトから遺産を持ち出して売り出してしまう。こうした人々にこの遺産の大切さを教えていくことから始めなければならない」と語ったのが印象的であった。
※ 国際刑事警察機構(INTERPOL)、国際博物館会議(ICOM),世界税関機構(WCO)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)など 正式名称は「文化財の不法な輸入、輸出及び所有件移転を禁止し及び防止する手段に関する条約」。
自国の領域外に輸出される文化財について、当該文化財の輸出が許可されたものであることを示す輸出証明書を添付することとし、輸出証明書が添付されない限り、当該文化財が自国の領域外に輸出されることを禁止する輸出規制や、他の締約国の博物館等から盗取され目録記載された文化財の輸入を禁止し、そのような文化財が自国内に持ち込まれてしまった場合には、当該文化財の回復及び返還について適当な措置をとることとする輸入規制等を定めている。
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写真: 円卓会議の模様 | |
関連リンク:
http://www.unic.or.jp/texts_audiovisual/resolutions_reports/sc/resolutions/page/2/ 安全保障理事会決議 2199
安全保障理事会決議 2199日本語訳 http://www.unic.or.jp/files/s_res_2199.pdf
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3月8日、神戸大学国際文化学部の学生・院生15名が坂井一成教授とともにユネスコを訪問し、ユネスコ事務局の協力を得て、文化多様性条約を題材にした文化政策・国際機関の在り方の理解のための演習を行いました。
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参考:文化多様性条約は、正式名は「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」。各国が固有の文化表現の多様性を保護・促進するための文化政策を打ち出すことを奨励し、文化産業商品や文化サービスは経済的な価値だけでなく、文化的価値のある二重性をもつ特別なものであることを、国際的に認める条約です。2005年に採択し、2007年に発効。現在は世界141カ国とEUが締結しています。日本は未締結。 |
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文化財保護のための新しいエンブレムが採択(ハーグ条約締約国会議:平成27年12月8日~12月11日)
下記の青いマークに見覚えがあるでしょうか?これは、ブルーシールド(青い盾)といって、戦争時に赤十字印の救急車が射撃を受けないのと同じように、戦時に攻撃をしてはいけない文化財(例えば、教会、美術館、図書館や考古遺跡など)に付する印です。これはユネスコの文化条約の一つである「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(以下「ハーグ条約」)」の元で作られた、保護の対象を識別するための特殊標章です。
日本も批准している、ハーグ条約の第2議定書には、一定の条件を満たした文化財を国際リストに登録し、より厳格な保護下に置こうという「強化保護」という仕組みがあります。12月の締約国会議にて、この「強化保護」に登録された文化財につける新たな印が採択されました。このエンブレムは、既存のブルーシールドを赤く縁取り、軍隊や紛争者に「攻撃してはいけない」と知らせる目的で見やすいことで選ばれました。
なお、「強化保護」を受けた文化財に対する攻撃、軍事使用は禁止され、これが破られた場合は、違反者を処罰することができる法的整備を行っておくことが、締約国には求められています。 |
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ドレスデン市庁舎に付されたブルーシールド(既存の標章)(写真提供:藤岡麻理子横浜市立大学特任助教)
http://www.unesco.org/new/en/culture/themes/armed-conflict-and-heritage/
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参考:
ユネスコを事務局とする「武力紛争の際の文化財保護に関する条約」は第二次世界大戦後の多くの文化財破壊を受けた反省の元に1954年にハーグで採択され、現在では124カ国(日本は2007年に条約と二つの議定書を同時に批准)が締結しています。
その第一議定書は占領下にある文化財の保護や管理、また、占領地域から流入した文化財の返還義務などに関する規定があり、101カ国(2015年12月現在)が締結しています。
その第二議定書は1980年~1990年代の東欧の紛争などを受けて多くの文化財破壊が防げなかったことからハーグ条約を補完・強化する目的で1999年に作られました(2004年に発効)。非国際武力紛争にも適用され、新たに「強化保護」という制度が設けられたほか、違反者に対する刑事責任なども規定されました。批准国は68カ国(2015年12月現在)です。 |
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「強化保護」の新しいエンブレム |
2015年12月14日: ユネスコ・アジア太平洋グループ(ASPAC)主催
レセプション「ASPACイブニング」
12月14日、ユネスコ本部において、アジア太平洋地域(ASPAC)に所属するユネスコ加盟国によるASPACイブニング・レセプションが開催され、ユネスコ事務局幹部や各国代表部大使などが出席しました。24カ国がそれぞれ自国料理を提供し、我が国からはお寿司、日本酒、いちご大福などを提供して大盛況となりました。また、各国の舞踊や音楽などのパフォーマンスが行われ、ASPAC各国の文化を堪能して交流を深める良い機会となりました。
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各国の料理(マレーシア、フィリピン、タイ、イランなど) |
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お寿司コーナー |
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各国によるパフォーマンス |
11月13日(金): 裏千家 千玄室大宗匠によるお茶会
(ユネスコ創設70周年記念行事)
11月13日(金)、ユネスコ本部にて、我が国のユネスコ親善大使である裏千家利休居士第15代前家元 千 玄室大宗匠によるお茶会が開催され、ボコバ事務局長をはじめとするユネスコ事務局幹部、中国やフランスなど各国代表部大使など約100名が出席しました。大宗匠は、「一碗からピースフルネスを」という言葉を提唱され、茶道文化を広め、世界平和の実現に向け、国内外において活躍されています。
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© UNESCO |
© UNESCO |
大宗匠による献茶式 |
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大宗匠の御挨拶 |
出席者への呈茶 |
© UNESCO |
© UNESCO |
ボコバ事務局長の御挨拶 |
佐藤大使の御挨拶 |
© UNESCO |
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会場の様子 |
【参考】
2.佐藤大使スピーチ概要
3.大宗匠スピーチ概要
4.これまでのユネスコ、国連関連の献茶式・茶会
(関連リンク) anniversary of the organization
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2015年10月28日: 二村英仁ユネスコ平和芸術家コンサート
「ユース・フォーラム」
10月28日、ユネスコ本部において、「ユース・フォーラム」(ユネスコ創設70周年記念事業)の一環で、我が国初のユネスコ平和芸術家である二村英仁氏(ヴァイオリニスト)及び各国若手音楽家によるコンサートが開催されました。本コンサートには、各国代表部大使、ユネスコ事務局幹部など約600名が出席しました。
【当日のプログラム】
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コンサートの様子 |
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日本スタンド |
2015年10月5日: 創造都市ネットワーク事業の紹介 (鶴岡市長一行の来訪)
10月5日、榎本政規鶴岡市長一行が、同県の文化推進活動のためにユネスコを来訪した際、当代表部にもお立ち寄り頂きました。榎本市長と佐藤大使は、鶴岡市が食部門で2014年に加盟を果たしたユネスコ創造都市ネットワーク事業について意見交換を行い、市長からは世界に和食、精進料理を普及していきたい、将来の食糧不足にも対応するため、鶴岡市の優れた食文化、農業技術を途上国にも広めていきたいといった取り組みについてお話し頂きました。また、市長は鶴岡市の特産であるだだちゃ豆(枝豆)や精進料理が育った豊かな農産業の話をされ、ミラノで開催されている国際博覧会において、鶴岡市もブースを出展したことも伺いました。
2004年に創設された創造都市ネットワーク(Creative cities network)は7つの分野(食文化、文学、映画、音楽、クラフト&フォークアート、デザイン、メヂィア・アート)の一つで秀でた創造性のある取り組みをしている世界の都市が加盟し(現在では世界32カ国から69都市)、ネットワークによる各都市の交流から文化産業の創造性、発進力を高めるのを目的とします。都市との経験や知識、人の交換だけでなく、共同事業を立ち上げたりすることで産業振興、地域活性化を目指します。
日本からは鶴岡市の他、札幌市(メディアアート)、金沢市(クラフト&フォークアート)、 名古屋市(デザイン)、神戸市(デザイン)、浜松市(音楽)の6都市が加盟を果たしていますが、加盟するにはそれぞれの都市のその分野での実績や国際的な活動や将来的な視野などを示さなければならず、審査は簡単ではありません。
今年の2015年の選考においては、日本からは新潟市が食文化、山形市が映画、兵庫県篠山市がクラフト&フォークアートの3都市が申請しており、12月上旬に決定される予定です。
関連リンク: 創造都市ネットワーク
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10月12日(月)から16日: 『デジタル・ドキュメンテーション 科学技術を用いた遺産保全』
10月12日(月)から16日(金)まで、ユネスコ本部にて、一般財団法人「産業遺産国民会議」、内閣官房及び当代表部の共催で『デジタル・ドキュメンテーション 科学技術を用いた遺産保全』が開催されます。本展示会は、国内・海外の産業遺産や、世界の文化遺産の保全・保護に資する最新のデジタル保存技術を紹介するものです。これらの技術を用いれば、稼働中の工場や紛争などで危機に瀕している文化遺産等、一般の人がアクセスすることが困難な遺産を身近に知ることができます。本展示会での最新技術を駆使した映像・画像を通じて、世界各国の文化遺産の価値、保全・保護の重要性について、ユネスコ加盟国の関係者の理解が一層深まることが期待されます。
『デジタル・ドキュメンテーション 科学技術を用いた遺産保全』(パンフレット)
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の第3回補助委員会会合の開催 (平成27年9月28~30日)
ユネスコの文化を保護する目的の条約のうち、現在、国際社会の状況を受けて、最もその効果が期待されている一つが「文化財不法輸出入等禁止条約」(通称「1970年条約」)です。例えば、イラクやシリアなどで横行する文化財の略奪に伴い、テロリストの資金源となる不法な文化財売買をどのように防止するかといった問題を扱う、国際的な枠組みです。
9月28~30日、この「補助委員会」の第3回会合がパリのユネスコ本部で開かれました。日本からは、国際私法の専門家である香川大学の八並廉准教授や日本政府代表部員が出席しました。今会合では、条約策定時には想定されなかった「インターネット上の不法文化財の売買」と「文書遺産の不法売買」を次会合の優先課題として扱うことが決定されました。また、事務局から現在、紛争下の危機にある文化財の保護に関する活動が報告されました。その他、各国の文化財関連の法律が分かるユネスコデータベースNATLAWSや国連薬物犯罪事務所(UNODC)との協力についても紹介されました。
今回の会議で興味深かったのは、イタリアのカラビニエリの特別な文化財保護部隊の活動紹介です。イタリアはこの分野では先進国であり、ユネスコに対して専門家を派遣し、イラクでは盗難文化財の見分け方に関する警察や税関のトレーニング、考古学サイトを保護する警備員のトレーニングなどを行っています。その中で、美術品はそのまま運搬・取引しては直ぐに見つかり、没収されてしまうため、分解したり、ばら売りする例などが紹介されました。
会議場写真:ユネスコ・イタリア大使がカラビニエリの活動を紹介 |
[文化] ユネスコの文書保存活動:アフリカ・マリのトンブクトゥ古文書の保存
ユネスコが重要な文書の保存を行っていることをご存じでしょうか。ここでは、その一つをご紹介します。
「黄金郷」と呼ばれていた、サハラ砂漠南端の都市トンブクトゥは1990年に歴史地区が世界遺産として登録されています。さらに、そのトンブクトゥには数十万点にも及ぶ重要な「イスラム古文書」があることで有名です。その古文書は13世紀のものまで遡り、内容は哲学、数学、天文学、医学から言語学と多岐に渡っています。
2012年から2013年にかけて、マリ北部にイスラム武装勢力が掌握し、霊廟などが破壊され、このかけがえのない古文書も数百点ほど破壊されました。しかし、過激派の破壊から守るために命がけでこの宝の大部分を住民が少しずつ、図書館から持ち出し、首都バマコの安全な場所に移動し、保管しました。 これを今、ユネスコは修復し、もとの図書館へ返還し、デジタル化などの保存事業を行っています。また、当時これらの古文書はその希少価値からバラ売りで闇市場で売買されました。このため、ユネスコはマリ政府に対し、文化財の不法輸出を禁止する法律を導入する支援なども行っています。
この古文書の壮大な救出劇をドキュメンタリーにした「トンブクトゥの古文書の足跡を追って」(仏ジャン・クレピュ作)が2015年9月、ユネスコ本部で放映されました。ドキュメンタリーは写本を鉄箱に詰めて、過激派に見つからないように木船で運ぶ緊迫したシーンから始まります。このシーンから、古文書がトンブクトウの人々の誇りであることを感じました。放映後、マリのユネスコ事務所長やマリの学生は「この古文書はマリの誇りだ」、「文化はその国民のパスポートである」、「古文書を燃やすと言うことは我々の歴史を破壊することだ」と語りました。 マリ政府はこれらの古文書をユネスコの世界記憶遺産(Memory of the World)に申請したいとしています。 http://fr.unesco.org/news/film-documentaire-piste-manuscrits-tombouctou-aminata-bore-recue-chef-du-bureau-unesco-bamako
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無形文化遺産保護条約については、我が国は2004年に締約国となり、これまで22件が代表一覧表に記載されています。最近では2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」、2014年に「和紙;日本の手漉和紙技術」が記載されています。
ユネスコ関連サイト
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[教育] 教育2030行動枠組みドラフティング・グループ会合(第1回)の結果について
平成27年8月31日~9月1日、ユネスコ本部にて、9月の国連総会特別サミットにて採択予定の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」における教育目標に関する行動枠組みドラフティング・グループが開催されました。ユネスコ、ユニセフを始めとする教育関係国際機関などともに、加盟国のアジア大洋州地域グループを代表して、我が国から広島大学教育開発国際協力研究センター長の吉田和浩教授ほか政府関係者が出席し、教育目標の実現に向けた取組の在り方について議論を行いました。
本会合においては、行動枠組みに、教育目標を実現するための各国等の取組のほか、国際的なガバナンスやパートナーシップ、モニタリングの在り方についても記載する方向で一致しました。本行動枠組みは、10月1日~2日に開催予定の次回ドラフティング・グループ会合において最終案を作成し、11月4日に開催予定の教育関係閣僚級会合において最終的に採択される予定であり、我が国は引き続き主導的役割を担っていく予定です。
ユネスコ関連サイト http://www.unesco.org/new/en/education/themes/leading-the-international-agenda/education-for-all/
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8月27日、浜田恵造香川県知事一行が、同県の文化推進活動などのためパリを来訪した際、当代表部を訪問しました。浜田知事と佐藤大使は、ユネスコ世界遺産などについてと意見交換を行い、知事からは特に「四国八十八箇所霊場と遍路道」の将来の世界遺産登録を目指した香川県の取組ついてお話いただきました。
「四国八十八箇所霊場と遍路道」は、徳島県・高知県・愛媛県・香川県の4県からなる四国を全周して、弘法大使ゆかりの霊場を巡る1,400㎞に及ぶ壮大な霊場巡拝です。また、同遍路は弘法大使への「信仰」と修行を実践する「場」、そしてそれを支える「地域」の3者が一体となって、現在まで継承されてきました。 |
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浜田知事と佐藤大使 | 意見交換の様子 |
7月21日、石見利勝姫路市長一行が、同市の文化交流事業などのためパリを来訪した際、当代表部を訪問しました。石見市長と佐藤大使は、世界遺産・姫路城の世界への効果的な発信や、同遺産の適切な保存のための姫路市の取組などについて、意見交換を行いました。
姫路城は、国宝四城の1つに数えられ、シラサギが羽を広げたような姿から「白鷺城」の愛称で親しまれており、その大天守は慶長14(1609)年に建築されたものです。1993年、奈良の法隆寺とともに、日本で初の世界遺産に登録されました。
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石見市長一行と佐藤大使 |
7月3日、三重大学の駒田学長ほか7名が、当代表部奈良臨時代理大使を訪問しました。一行は、パリ日本文化会館において開催された「忍者文化研究プロジェクト レクチャー・デモンストレーション2015」などに出席するため当地を訪れました。
駒田学長より、「忍者”Ninja”の知恵を活かした人にやさしい循環型社会の構築」という文理融合型の研究について紹介がありました。また、世界の高等教育機関を結ぶネットワークとしてのユネスコチェアや、UNITWIN(大学間提携計画)など、ユネスコのプログラムを活用した更なる取組みなどについて意見交換を行いました。
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三重大学一行との記念撮影 | 忍者に関する研究読本 |
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(写真提供:三重大学) | (写真提供:三重大学) |
忍者文化研究プロジェクト レクチャー・デモンストレーション2015」 |
6月1日~12日:世界海洋の日(6月8日)記念美術展
『伊東昭義展 奇跡の海』
6月1日から12日まで、ユネスコ本部にて、海洋写真展「伊東昭義展 奇跡の海ーMiracles Under The Waves」が開催され、ボコバ事務局長ほか、事務局幹部や各国代表部の関係者が多数鑑賞しました。本写真展は、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)の招きにより、6月8日の「世界海洋の日(World Oceans Day)」を記念して行われ、沖縄の美ら島大使でもあるフォトアーティストの伊東昭義氏の海の作品(慶良間(けらま)諸島、伊豆など)が展示されました。
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伊東昭義氏とボコバ事務局長 |
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『伊東昭義展 奇跡の海』展示作品(会場:パ・ペルデュホール) |
6月1日~12日:世界海洋の日(6月8日)記念美術展 『伊東昭義展 奇跡の海』
6月1日から12日まで,ユネスコ本部にて,海洋写真展「伊東昭義展 奇跡の海ーMiracles Under The Waves」が開催されます。本写真展は,ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)の招きにより,が6月8日の「世界海洋の日(World Oceans Day)」を記念して行う各種行事の一環として,ユネスコ本部内で約二週間に亘り,沖縄の美ら島大使でもあるフォトアーティストの伊東昭義氏の国定公園慶良間諸島,伊豆などの海の作品を展示するものです。「世界海洋の日」である6月8日には,ユネスコ本部でボコバ事務局長やパラオ大統領などの要人が出席し,海洋が気候システムに果たす様々な役割を若者をはじめ幅広い層に訴える各種会議が行われる予定です。 7 place Fontenoy, 75007 Paris 入場:無料(要身分証明書)
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5月5日、ユネスコ本部に於いて、当代表部と一般財団法人本願寺文化興隆財団の共催事業「クールジャパン:日本人の智恵」が行われました。本事業では、大谷暢順同財団理事長及び中根一幸外務大臣政務官による挨拶、トマ・パリ市長代理による祝辞に続き、①狂言解説・レクチャー/デモンストレーション、②人間国宝である野村万作氏一門による狂言上演、③シンポジウム「クールジャパン:日本人の智恵」(パネリスト:山東昭子参議院議員、大谷理事長、新美外務省文化審議官、ピット・ソルボンヌ大学(パリ第4大学)元学長)、④DVD「日本人の知恵」等上映、⑤ジャポニスム振興会パリ支部発足記念コンサートが行われました(全体司会者:グリオレ・フランス国立東洋言語文化大学日本言語文化学部教授)。
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石田幸雄氏による狂言解説・レクチャー/デモンストレーション
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野村万作氏(人間国宝)一門による狂言上演
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野村万作氏(人間国宝)一門による狂言上演
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シンポジウム「クールジャパン:日本人の智恵」 パネリスト:大谷理事長、山東昭子参議院議員、新美外務省文化審議官、 ピット・ソルボンヌ大学(パリ第4大学)元学長)
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ジャポニスム振興会パリ支部発足記念コンサート
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DVD「日本人の智恵」上映
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会場の様子
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4月8日から23日、第196回ユネスコ執行委員会が開催されました。執行委員会は、ユネスコのプログラムや予算を検討するために年に2回、執行委員国(58か国:任期4年)の代表が集まり議論を行う会議であり、我が国は 1951年のユネスコ加盟の翌52年から継続して委員国に選出されています。
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ボコバ事務局開会演説 © UNESCO / C. Bailleul |
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執行委議長による総括 © UNESCO / C. Bailleul |
議場の様子 © UNESCO / C. Bailleul |
4月8日:「シリア・イラク危機に対するユネスコの取組みに関する情報会合」(於:ユネスコ本部)
イラク、シリアでISILの文化財破壊行為が続く中、ユネスコ事務局においてユネスコの取り組みを説明する情報会議が開催され、多くの加盟国が出席しました。「現在、イラクやシリアで起こっている惨事を私は文化浄化(Cultural cleansing)と呼び非難している。仏のファビウス外相は文化虐殺(Cultural genocide)と称した。」会議の冒頭、ボコバ事務局長は加盟国に訴えました。イラクやシリアでISILの文化財破壊が続いている中、ユネスコは、テロリストの資金源となっている文化財の不法な収奪や博物館収蔵品の輸出入の取り締まり、流出する難民への教育支援などに取り組んでいます。その中でも日本が2月に補正予算で150万ドルの拠出を決定したバグダードにあるイラク国立博物館における予防的対策のためのプロジェクトは時宜を得た支援として、事務局や加盟国から謝意が表明されています。この事業は、差し迫った危機に晒されているイラクの博物館や考古学的価値のある史跡を守るために、収蔵品の緊急移転や史跡の保護支援、文化財の目録作りなどと様々な取り組みを行うものです。目録が整ってないため、大量の盗難にあった場合に収蔵品を取り戻す術がなくなるといった事態を防ぐこともできます。
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破壊されたサイト ©UNESCO / Prof.Abdulkarim | Confiscated statue from the site of Palmyra © UNESCO (シリア) |
会場の様子 © UNESCO / P. Chiang-Joo |
4月2日、佐藤大使はボコバ・ユネスコ事務局長へ信任状を提出し、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使として正式に着任しました。ボコバ事務局長は、佐藤大使の着任を心から歓迎し、これまでのユネスコの活動に対する日本の協力に改めて謝意を表明しました。佐藤大使からは、日本とユネスコ間の協力関係を更に発展させるべく、ボコバ事務局長と連携しつつ、引き続きユネスコの活動に積極的に参画・貢献していきたい旨述べました。 |
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© UNESCO/P. Chiang-Joo |
© UNESCO/P. Chiang-Joo |
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© UNESCO/P. Chiang-Joo |
3月12日,ユネスコ本部にて門司大使の離任レセプションが行われ,ボコバ事務局長を始めとするユネスコ事務局幹部、各国代表部大使、仏の文化関係者等門司大使の知人が参加しました。門司大使は,在任期間中,「和食:日本人の伝統的な食文化」(2013年),及び「和紙:日本の手漉和紙技術」(2014年)の無形文化遺産登録(代表一覧表記載決定),「富岡製糸場と絹産業遺産群」(2014年)の世界遺産登録(一覧表記載決定),更には日本がホストした2014年11月の持続可能な開発のための教育に関するユネスコ世界会議等,日ユネスコ関係が一層強化されたを振り返るとともに,ボコバ事務局長を含むユネスコ事務局関係者に深甚なる謝意を表明し,日本はユネスコを引き続きサポートしていく旨述べました(スピーチ(原文))。続いて,ボコバ事務局長がスピーチを行い,門司大使の在任期間中,日ユネスコ関係が一層強化されたことに言及し,特にESDユネスコ世界会議の成功に対する門司大使の協力に大変感謝している旨述べました。また,先日の日本酒の会が大変好評であったこともあり,日本酒コーナーは大盛況となりました。 |
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1 - 門司大使夫妻とボコバ事務局長 |
2 - マレーシア代表部大使と |
3 - ドイツ代表部大使と |
4 - トルコ代表部大使と |
5 - 中国代表部大使と |
6 - エンギタ事務局次長と |
7 - 門司大使による離任挨拶 |
8 - ボコバ事務局長によるスピーチ |
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9 - ボコバ事務局長と歓談する門司大使夫妻 |
10 - スピーチに聞き入る来場者 |
11 - カザフスタン代表部次席(左)、ファルト事務局長補(中央), エンギダ事務局次長 (右)と |
12 -フランス政府関係者と |
13 - ユネスコ平和芸術家のセツコ・クロソフスカ=ド=ローラ氏(中央左)と |
14 - アメリカ代表部大使と懇談する門司大使 |
15- 日本酒を堪能する来場者 |
16 - 好評だった日本酒の一部 |
17 - 会場の様子 |
3月5日、ユネスコ本部において当代表部主催の「日本酒の会(利き酒会)」が行われました。この会には、当地のISSE及びギャラリーKの協力の下、全国の20の酒蔵の協賛をいただき、4つの蔵から蔵元や関係者が参加されました。酒サムライである門司大使は、「日本酒はユネスコ無形文化遺産に登録された和食に最も合う飲み物であり、日本文化における重要な構成要素である。」との冒頭の挨拶に続き、利き酒にあたり、精米歩合の違い、発泡酒・古酒など保存期間の違い、温度による違い等を味わっていただきたいと説明しました(スピーチ原文及び和文概要)。出席したユネスコ事務局幹部や各国代表部大使、フランス要人らは、酒蔵に提供いただいた40種類以上の多様な日本酒を味わいながら、参加いただいた蔵元と交流し日本酒に大きな関心を示していました。また、陶芸家の桐谷純子氏が制作された多数のぐい呑みも試飲用に披露されました。 |
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日本酒(利き酒)の説明をする酒サムライ・門司大使 |
スピーチを聞く参加者 |
参加蔵元の紹介 |
ファルト事務局長補によるスピーチ |
協賛いただいた16の酒蔵のブース |
千代むすび酒造のブース |
加藤吉平商店(梵)のブース |
旭酒造(獺祭)のブース |
大七酒造のブース |
陶芸家・桐谷純子さんと |
桐谷さんのぐい呑みで燗酒を味わう |
利き酒を楽しむ来場者たち |
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利き酒を楽しむ来場者たち |
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利き酒を楽しむ来場者たち |
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ルルー国民議会議員(仏日友好議連副会長,写真右)と門司大使 |
会場の様子 |
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会場の様子 |
参加いただいた蔵元さんたちと |
2015年2月: ユネスコを通じたパキスタン及び中東・北アフリカ支援
2015年2月、日本政府は、ユネスコを通じた開発途上国支援として、パキスタンにおける洪水対策プロジェクト及び中東・北アフリカにおけるプロジェクト4件に対し、総額約900万ドルを拠出することを決定しました。
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今回の決定に対し、ボコバ事務局長より、ユネスコの活動における日本の強いリーダーシップと多大な貢献に対する謝意が表明されました。 |
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洪水の頻発がしばしば甚大な被害を及ぼすパキスタンでは、インダス川流域における洪水予測能力の向上を図るべく、洪水予測システムと情報ネットワークを構築するユネスコのプロジェクト「第二次洪水警報及び管理能力強化計画」に対し、日本政府として4.89億円(約400万ドル)を拠出します。この洪水対策プロジェクトは、2011年度より我が国の支援を受けてユネスコが実施してきたプロジェクトが高い評価を受けたことから、今般、第2フェーズの実施を決定したものです。防災は日本とユネスコがともに深い知見を共有する分野であるとともに、本件支援は我が国が2013年11月に「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した気候変動分野における途上国支援の一環として実施するものです。 |
パキスタンにおける交換公文(E/N)署名式
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ISILを始めとするイスラム過激派の台頭により不安定化する中東・北アフリカ地域では、平成26年度補正予算を活用し、イラク国内の避難民(IDPs)やシリア難民を対象とした教育を支援するほか、テロリストによる破壊活動からイラクの文化財を保護するため、バグダード博物館等における予防的対策を講じます。 |
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ボコバ事務局長は、イラクにおけるテロリストによる文化財破壊活動を「文化浄化(cultural cleansing)」と呼んで強く非難し、国際社会の対応を要請していますが、ここ数ヶ月の間にもモスル博物館やニムルド遺跡がISILによる被害に遭い、貴重な文化財が次々に失われています。このような中、イラクの文化財保護は第195回ユネスコ執行委員会においても議論され、加盟国は一致して決議を採択しました。今般の日本政府による博物館支援も、イラクの文化財保護におけるユネスコの指導的役割を強化し、加盟国としての責任を果たすものです。 (了) |
門司大使は、2月26日にユネスコの事務局幹部や主要国代表部大使を、また、27日にフランスの芸術家や食文化関係者を大使公邸に招き,福岡県から来訪されたミシュラン一つ星の日本料理店「うつわ料理さ乃」の佐野純子オーナー・シェフの料理と日本酒を味わう夕べを開催しました。招待客は,佐野氏持参の個性的な器に美しく盛り付けられた一品一品の繊細な味わいと,「酒サムライ」である門司大使が各皿に合わせて選んだ様々な日本酒を堪能しました。参加者からは、「和食の真髄を理解できた気がする」,「信じられない程手を掛けた料理と素晴らしい器の組み合わせで特別の体験だった」,「日本酒の多様さも感じることができた」などのコメントをいただきました。
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門司大使の挨拶と乾杯するユネスコ事務局幹部や主要国代表部大使 |
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和食と日本酒を堪能する仏文化関係者たち |
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佐野純子氏持参のうつわに盛られた雛祭りをテーマにした料理 |
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門司大使セレクトの日本酒 |
佐野純子氏とユネスコ各国大使 |
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門司大使による佐野純子氏の紹介 |
1月20日,当代表部にユネスコ事務局邦人職員を招待して,平成27年賀詞交換会を実施しました。会合には教育,文化,科学など各分野で活躍する邦人職員約30名とその配偶者の方々が出席し,門司大使の新年の挨拶に続き,邦人職員を代表して,村井恵美子氏より乾杯の御挨拶をいただきました。出席者は,2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食や日本酒等を味わいつつ交流を深め,本年のユネスコの主要課題について,門司大使や代表部館員と有意義な意見交換を行いました。 |
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門司大使の新年の挨拶
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乾杯の御挨拶 |
ユネスコ事務局邦人職員との意見交換 |
ユネスコ事務局邦人職員との意見交換 |
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ユネスコ事務局邦人職員との意見交換
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門司大使セレクトの日本酒 |
1月19日,20日,ユネスコ本部にて「2015国際光年(International Year of Light and Light-based Technologies)」のオープニング行事が開催され,門司大使が開会式に参加しました。本行事には,世界各地から1000名以上の科学者(ノーベル賞受賞者を含む),政府関係者,企業トップ等が集まり,科学技術に関する活発な議論が行われました。「2015国際光年」とは,光及び光関連技術が情報へのアクセス,持続可能な開発の促進,社会の健康・福祉増進,環境改善等に果たす役割の重要性について,教育・能力開発を通じて各国国民の理解を深めることを目的として2013年の国連総会決議で定められたものであり,本2015年中世界各地で様々な関連行事が開催される予定です。
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ボコバ事務局長によるビデオメッセージ |
ノーベル受賞者による講演 |
オープニング行事の展示品 |
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LEDライト関係の展示を見る参加者 |
青くライトアップしたユネスコ本部 |
1月16日,中村長崎県知事及び長崎市,佐世保市,平戸市,五島市,南島原市,小値賀町,新上五島町の首長等の一行が「長崎の教会群とキリスト教関連資産」の世界遺産一覧表記載に向けた協力要請のため,ユネスコ本部及び当代表部を訪問しました。一行は,ラオ世界遺産センター所長,門司大使及びバチカン市国のフォロ・ユネスコ代表部大使と意見交換を行った他,ユネスコ本部にある日本庭園,天使の頭像等を視察しました。なお,天使の頭像は元々長崎の浦上天主堂の正面にあったもので,長崎への原子爆弾の被害を奇跡的に免れたものです。1976年,ユネスコ30周年を記念して長崎市より寄贈されました。
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当代表部訪問 |
中村知事とラオ世界遺産センター所長 |
門司大使同席の下に行われたラオ世界遺産センター所長と中村県知事一行の意見交換 |
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天使の頭像前での記念撮影 |
フォロ大使との記念撮影 |
1月14日:パリ市内における新聞社銃撃テロ事件を受けたユネスコにおける
「表現の自由」に関するイベント(「Journalism after CHARLIE」)
1月14日、7日にパリ市内で発生した新聞社銃撃テロ事件及びその後の進展を受け、ユネスコ本部で「シャルリー事件後のジャーナリズム」と題し、表現の自由について議論するイベントが開催されました。開会式には門司大使始め多くの大使、メディア関係者が出席し、ボコバ事務局長、仏政府のジラルダン開発・フランコフォニー担当大臣及び風刺画家のプランテュ氏から、犠牲者を悼むとともに、表現の自由、テロとの闘いについて力強いメッセージを発するスピーチが行われました。その後、「ジャーナリストの安全」、「文化間対話と分裂した社会」をテーマとした円卓会議が行われ、ジャーナリスト、メディア、加盟国など多くの関係者が議論に参加しました。情報及び表現の自由は、教育、科学、文化とともに、ユネスコの活動の主要な柱となっている分野です。
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結束を呼びかけるボコバ事務局長 |
テロリズムに対して法、民主主義、自由の重要性を訴えるジラルダン開発・フランコフォニー担当大臣 |
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表現の自由を訴える風刺画家のプランテュ氏 |
ジャーナリストの安全について考える円卓会議 |