令和6年10月23日: 仙台防災枠組みの実施に関する執行委員会決定について

令和6年10月23日
 10 月9 日から23 日にかけて開催された第220 回ユネスコ執行委員会において、我が国の提案により、仙台防災枠組みの実施に関する審議が行われ、ユネスコにおける取組強化を求める決定文書が採択されました。

 防災分野を巡っては、2015 年に仙台市で開催された第3 回国連防災世界会議において、「仙台防災枠組2015-2030」が採択されてから来年で10 年を迎えます。昨年5 月に国連本部で行われた中間レビューでは、複雑化する災害リスクへの対応のため防災に対する取組強化が求められました。

 ユネスコでは、洪水・渇水や津波に関する早期警戒システムや、災害時の教育の継続、災害の影響を受けた文化遺産の保護など、教育・文化・科学の幅広い分野で、災害への備えや災害発生時の対応に関する取組が進められてきています。我が国も信託基金や専門家の参画等を通じて長年に渡って貢献してきております。

 今回採択された決定文書は、ユネスコ全体としての取組効果を最大化するため、ユネスコ内での分野間連携及び他の国際機関との協力強化を促進するものです。今後、ユネスコ事務局の防災専門ユニットが中心となって、多様なステークホルダーの関与を得ながら、革新的な技術も用いつつ、多岐に及ぶ災害に対応することが期待されます。本年度から、我が国の支援により、大規模災害発生時の二次災害を防ぐために、科学的知見を有する専門家を機動的に派遣するためのエマージェンシー・ファンドが新設される予定であり、このファンドの実施効果を最大化することも望まれます。

 我が国としては、過去の災害を通じて得られた教訓と科学的知見を活かしつつ、同志国とともに災害に対して強靱な社会を構築するため、ユネスコ事務局と連携を図りながら、本分野における対応を強化してまいります。