令和7年5月6-9日:加納大使による「アフリカにおける文化遺産に関する国際会議」への参加と「カスビのブガンダ王国歴代王の墓(ウガンダ)」視察
令和7年5月9日
加納大使は、5月6日から9日にかけて、ケニアの首都ナイロビで開催された「アフリカにおける文化遺産に関する国際会議:コンセプトと真正性についての対話」に出席しました。
この会議には、アフリカ各国の行政官、研究者、文化遺産のサイトマネージャー、地元コミュニティ代表者、外交官、NGOなど多岐にわたる文化遺産の関係者400名以上が一堂に会し、対話を通じて文化遺産の「真正性」や「完全性」、保存の理論と実践に関する理解を深める機会となりました。日本は、ユネスコへの任意拠出金である「日本信託基金」を通じて、本会議の開催を支援しました。
開会式で挨拶した加納大使は、日本が1990年代に自国の文化遺産を世界遺産に推薦する過程で、木造建築の保存手法が、当時主流であった欧州の石造建築を基準とする「真正性」の概念と合致せず、課題に直面した経験を紹介しました。こうした課題に対応するため、日本は「真正性」のあり方について国際的な対話を主導し、文化的多様性や地域の文脈の尊重を求める「真正性に関する奈良文書」が1994年に採択されました。加納大使は、この会議が、多様な知識や経験の有意義な共有の場となり、アフリカをはじめとする世界の文化遺産保護の未来に貢献する共通のビジョンの醸成につながることへの期待を表明しました。
最終日の閉会セレモニーでは、本会議を主導したピーター・ングレ・ケニア・ユネスコ代表部大使らから本会議の成果文書が提出され、臨席したルト・ケニア大統領は、本会議の成果が将来の文化遺産保護に果たす重要な役割への期待を表明しました。

@UNON-ODG/Crystal Norman
加納大使による開会スピーチ(英語)
また、加納大使は5月7日、ウガンダにて「カスビのブガンダ王国歴代王の墓(カスビ王墓)」を視察しました。カスビ王墓は2001年に世界遺産一覧表に記載されましたが、2010年3月に発生した火災により甚大な被害を受け、同年「危機にさらされている世界遺産一覧表(危機遺産リスト)」に登録されました。日本政府は、ユネスコ日本信託基金を通じて、2013年から2022年にかけて再建工事やリスク管理・火災防止計画の策定を支援し、その結果、王墓は再建され、2023年の世界遺産委員会において危機遺産リストからの除外が正式に決定されました。
加納大使は、修復に尽力した関係者への謝意を述べるとともに、火災という困難を乗り越え、伝統的な技術を用いて王墓が再建されたことは、地域社会のレジリエンスを示す象徴的な成果であると評価しました。また、日本にも茅葺き屋根の伝統があり、防火という共通の課題に対し知見を共有できたことを嬉しく思う旨表しました。
日本政府は、今後もユネスコを通じて、アフリカを含む世界の文化遺産保護に貢献していく方針です。

この会議には、アフリカ各国の行政官、研究者、文化遺産のサイトマネージャー、地元コミュニティ代表者、外交官、NGOなど多岐にわたる文化遺産の関係者400名以上が一堂に会し、対話を通じて文化遺産の「真正性」や「完全性」、保存の理論と実践に関する理解を深める機会となりました。日本は、ユネスコへの任意拠出金である「日本信託基金」を通じて、本会議の開催を支援しました。
開会式で挨拶した加納大使は、日本が1990年代に自国の文化遺産を世界遺産に推薦する過程で、木造建築の保存手法が、当時主流であった欧州の石造建築を基準とする「真正性」の概念と合致せず、課題に直面した経験を紹介しました。こうした課題に対応するため、日本は「真正性」のあり方について国際的な対話を主導し、文化的多様性や地域の文脈の尊重を求める「真正性に関する奈良文書」が1994年に採択されました。加納大使は、この会議が、多様な知識や経験の有意義な共有の場となり、アフリカをはじめとする世界の文化遺産保護の未来に貢献する共通のビジョンの醸成につながることへの期待を表明しました。
最終日の閉会セレモニーでは、本会議を主導したピーター・ングレ・ケニア・ユネスコ代表部大使らから本会議の成果文書が提出され、臨席したルト・ケニア大統領は、本会議の成果が将来の文化遺産保護に果たす重要な役割への期待を表明しました。



@UNON-ODG/Crystal Norman
加納大使による開会スピーチ(英語)
また、加納大使は5月7日、ウガンダにて「カスビのブガンダ王国歴代王の墓(カスビ王墓)」を視察しました。カスビ王墓は2001年に世界遺産一覧表に記載されましたが、2010年3月に発生した火災により甚大な被害を受け、同年「危機にさらされている世界遺産一覧表(危機遺産リスト)」に登録されました。日本政府は、ユネスコ日本信託基金を通じて、2013年から2022年にかけて再建工事やリスク管理・火災防止計画の策定を支援し、その結果、王墓は再建され、2023年の世界遺産委員会において危機遺産リストからの除外が正式に決定されました。
加納大使は、修復に尽力した関係者への謝意を述べるとともに、火災という困難を乗り越え、伝統的な技術を用いて王墓が再建されたことは、地域社会のレジリエンスを示す象徴的な成果であると評価しました。また、日本にも茅葺き屋根の伝統があり、防火という共通の課題に対し知見を共有できたことを嬉しく思う旨表しました。
日本政府は、今後もユネスコを通じて、アフリカを含む世界の文化遺産保護に貢献していく方針です。


